殺してやるんだ

ただ人は人恋焦がれ
ただ間違いは正しさと区別され
ただあくまで多数が好しとされ
ただ僕は凶行をかくそうもしない

舞台転換
在る独白

殺してやる「こんな日に」
誰を殺そう「月の下で」
殺してやるよ「寒さに富んだ街中で」
殺してやろうか「ああ、誰彼とも分からず」
殺すよ、必ず殺してやるんだ僕「人々はそ知らぬ顔で歩いている」
殺すという大切な言葉「君はどうだろう、悲しさ?」
殺さないと皆が泣いてしまうさ「こんな蒼い夜に」
殺してやる「そう、殺してやる」
殺してみせる「うん、君が、弾ける位、分かるよ」
殺すよ「君は構わない人間じゃないさ」
殺す、お願い「そういう優しさが好きだよ」
殺す「そうだね」
殺す「好きさ」
殺す「大丈夫」
殺してみせる「うん」
殺す「だから、また、さようなら」
殺す「つまりは」
泣いてなんていないよ「泣いてなんていない」
だって今から殺すんだから「殺人鬼の人間性は否定され」
今から殺す「人にも知れずに泣いている」

も どる